2012年1月25日水曜日

Max Payne2 さよならを言うのはわずかに死ぬ事だ

先日SteamにてMax Payneシリーズが75%OFF、今日のコーヒーとスナック菓子を我慢すれば買えるような値段で販売されていたので勢いあまって購入してしまった。特にこの2は個人的に非常に思い入れ深い作品であり、今更デジタル買いなおし(というかリテール版も所持しているので買い貯め)をしても惜しくない程のフェイバリットだ、以下ネタバレあり。


1~2までの開発はフィンランドのRemedy、世界に名だたる90年代デモシーンの覇者、Future Clewの元主要メンバー達が立ち上げた数ある会社の一つです。同じEX-Future ClewメンバーによるFuture Mark社製作の定番ベンチマークソフト3D Mark 2001におけるマトリックスインスパイアな例のシーンの提供で有名です。「あの3D Markがゲームとしてリアルタイムで動いちゃうのがMax Payneらしいぜ?」大手Take2と契約、Take2のRock Starブランドとしてシリーズは華々しいデビューを飾ります。


3D Mark2001

NY市警の刑事Max Payneは
家族がジャンキーに惨殺されたのを
きっかけに、麻薬取締りの潜入捜査官となる。

彼を突き動かすのは復讐心か?
巨大ドラッグディーリングの陰謀に巻き込まれ、
罠にかけられ警察からも追われる身となった
Payneはスローモーションでギャングや、
ジャンキーをはじめとする社会のゴミを躊躇なく撃ち殺し、
サプリメントのように鎮痛剤タブレットを
ボリボリ噛み砕きながら、
ハードボイルド調の語りと共に、
冬のNYアンダーグラウンドを血の海に変えていく。



1と2の繋がりはやや希薄に感じる。
1の事件後、Payneは麻薬取締り局を離れ、
NY市警に戻ったという設定で、
前作のクリミナルら登場人物に舞台、
設定は第一作を継承してこそいるが、
2に登場する人物はPayneをはじめとして
性格が異なるので、これは一種のパラレルワールド
のようなものだと自分は認識している。


復讐劇であった第一作に対し、
Max Payne2 The Fall of Max Payneは
徹底したフィルムノワールの作りとなっている。

秘密結社が関わる組織殺人事件を追う中、刑事という立場でありながら、
クリミナルのMona(ファムファタール=フィルムノワールの魔性の女)
に惹かれてしまうPayne、彼はMonaを助ける為、
同僚のWinterson刑事を自ら撃ち殺してしまう。

副題のThe Fall of Max Payneは、
恋に落ちた、堕落した、あるいは秋(第一作は冬)を示唆している。



組織による殺人事件という大局を追いながらも、
怪しげなクリミナル女にうつつを抜かし、
果ては警官殺し。

罪悪感から悪夢にうなされるPayneを
過剰なエフェクトで描く迫真のナイトメアパートは、
今作のハイライトだ。

彼の悪夢には亡き妻がよく現れる、
ニュージャージーに住んでいた頃の惨劇からか、
はたまたMonaを愛した罪悪感からか?


悪夢パート

ラストでは黒幕を討ち果たすも、
その代償にPayneはまたも愛した女を失ってしまう。
フィルムノワールらしく主人公が巻き込まれ、
しっちゃかめっちゃっかにされた割には、最後には事態はしっかりと収束する。

陳腐すぎやしないかって?ノワールとはそういうものなのです(断言)





ラストは悪夢から開放されすっきりとした顔のPayne、
おなじみハードボイルド調な独白で終わる。

「夢の中でまた妻が現れた、彼女は死んでいたが、もう大丈夫だ。」


つづけてスタッフロールで流れるのはPoets of the Fall
というフィンランドのバンドによるLate Goodbyeという曲だ。
チャンドラーからのインスパイアだろうか、

「さよならを言うのはわずかに死ぬ事」

愛した女を立て続けに失った彼には、
さよならを言うには遅すぎたのだろう、
楽曲とあわせて実に印象深いラストだ。

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ugh